【テイクアウト事業を始めたい事業者の皆様へ】
外出自粛要請をうけて、この数か月の間に初めてテイクアウト事業を始める企業が増えています。テイクアウトってどうやってはじめたらいいの? 注意点は?など、いくつかのポイントをQ&A形式でお届けいたします。
Q. 始めるのに手続きは必要?
A.普段の提供メニューをパック詰めして販売する場合は基本的には新たな手続きは必要ありません。
※今までと異なる業態や食品を製造する場合は、別途許可が必要な場合もあります。詳細は保健所にご相談ください。
Q.消費期限や原材料名って表示しないとダメ?
A.店内で調理した料理をテイクアウト販売する際には、消費期限や内容量、原材料名などを表示する必要はありません。
※製造・加工した食材を単に仕入れて販売する場合など、表示が必要な場合も一部ございます。
また細かいルールや条件は自治体によって変わるケースがございますので、最寄りの保健所に確認いただくことをおすすめいたします。
> 参照:加工食品品質表示基準Q&A(弁当、惣菜関係)【消費者庁】
Q. 飲食店で扱っているお酒やボトルをテイクアウト販売できる?
A. 飲みかけのボトルなどをテイクアウト販売することは酒税法で制限されており、酒類販売業免許が必要になります。基本的には店内で飲むために提供したお酒は店内でしか飲めません。
※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、国税庁は、飲食店がテイクアウト用に酒を販売するための「期限付酒類小売業免許」を設けるそうです。これにより、一時的にお酒をテイクアウト販売できる免許を取得することができます。
> 【記入例PDF付き】「期限付酒類小売業免許申請書の書き方」
Q. 準備するものってなんですか?
A. テイクアウト用の容器と、割り箸やスプーン、持ち帰り用の袋の準備が必要となります。
消費期限を記入するシールも用意しましょう。
また、テイクアウトをはじめたことを周知するために、SNSで発信をしたり、店内外にポスターなどを掲示しましょう。
> テイクアウトはじめましたポスター:ダウンロード可【関東食糧】
【テイクアウト事業をはじめるポイント】
いざテイクアウトを始める際に注意するポイントがあります。
以下、京都にある1日100食限定のお店「佰食屋(ひゃくしょくや)」を経営されている株式会社minitts代表取締役 中村朱美さんのFB投稿(2020年4月3月)を、了承いただきご紹介いたします。
ご注意:なお、地域によって条件などが異なる場合もございます。確実な情報はご自身で再度お調べ頂きますようお願い申し上げます。
以下転載
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【テイクアウト事業を始めた事業者の皆様へ】
外出自粛要請をうけて、この数か月の間に初めてテイクアウト事業を始める企業が増加してまいりましたので、テイクアウト事業を7年半以上継続してきた経験から、トラブル防止のための施策を下記に記したいと思います。どうか皆様のお役に立てますように!
①賠償責任保険(飲食物)への加入をお勧めします。
万が一食中毒が発生してしまった場合などに大変有効です。百貨店等商業施設に入っている飲食店は加入しなければ商品を扱えません。(佰食屋も開業当初より加入しています)お店の広さと年商によって加入金額が変わりますので、ご興味がある方は一度WEBで調べてみてください。
②マスクとビニール手袋とメッシュキャップの着用
現在マスクをしている方は多いのですが、ビニール手袋の着用をしているのは大手企業が多く、個人店ではまだ浸透していないところが多いようです。しかし、手には常在菌が沢山あり、切り傷やさかむけがあると、黄色ブドウ球菌という菌が大量に食品に付着します。黄色ブドウ球菌はご飯(おにぎりなど)を栄養源とするため、テイクアウト事業の際には最も注意すべき菌です。ビニール手袋の着用で防ぐことができます。また、髪の毛等の異物混入を防ぐためにもメッシュキャップの着用も有効です。(佰食屋でもメッシュキャップは肉寿司専科の伊勢丹納品やすき焼き専科の鍋詰めの業務の際は全員着用を義務付けて実施しています)
③店舗から画鋲(がびょう)の撤廃
店舗の貼り紙に画鋲を使用されていることもあると思いますが、異物混入で髪の毛の次に多いのが画鋲やクリップ、ラップなどの混入です。特に画鋲は針があって大変危険です。掲示物から気付かないうちに落下して混入することがあるため、当店では画鋲を撤廃しています。画鋲を使用されている店舗につきましては、今後テープなどに変更すると安心です。
④消費期限とアレルギーを含めた新食品表示について
いつまでに食べるべきか(本日中なのか、冷蔵庫でいつまで保存可能なのか)は示しておいた方が賢明です。【本日中にお召し上がりください】のシールは格安で販売されています。口頭で伝えるのも有効です。2020年4月1日から新食品表示法が施行されましたので、店舗で直接お渡しするテイクアウトではなく、どこかに納品して販売する場合は、【原材料の表示(アレルギー含)】だけでなく【栄養成分表示】も義務となりましたのでご注意ください。百貨店への納品等に関しては、それに加えて【細菌検査(生菌数・大腸菌群・黄色ブドウ球菌)】の検査結果の提出も必要です。(佰食屋は株式会社ファルコバイオシステムズ様で実施しました。3万円程度で1週間程度で出来ます)仮に百貨店への納品が無くても、ここまで実施しておくと、消費期限が何時間可能かを根拠付で記載できますので大変安心です。
ウーバーイーツのお客様には添付の成分表示のカードを入れてお渡ししておりますのでご参考まで。
⑤電子レンジ対応容器かどうか、再度温める際の手順の記載
お客様がいつお召し上がりくださるかは分かりませんので、容器が電子レンジ対応かどうか、再度温める際は500Wで〇分が目安などの記載があると大変安心してくださいます。ほとんどのテイクアウト容器は、本体は電子レンジ対応ですが、蓋だけレンジ不可です。お客様にも『蓋を外してラップして電子レンジにかけてくださいね』とお伝えすると丁寧です。リピーターの獲得にも有効です。
テイクアウト事業は、目の前でお客様が召し上がらない分、リスクも大きい事業です。気を付けていても事故が起こることがあります。しかし、上記のことに気を付けるだけで、ほとんどのトラブルを防ぐことができますので、ぜひ細心の注意を払いながら実施して頂きたいと思います!
佰食屋では上記の取組をすることで、7年半食中毒の発生件数は0です!これから先、6月の梅雨の時期は更に細菌が発生しやすいですので、より注意してください。少しでも多くの事業がコロナウイルスに負けないよう、みんなで協力して頑張りましょう!
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転載終わり
参考: